１）「モビコール」と言う新しい便秘の治療薬は、水に溶かして服用していただきます。モビコールを溶かした水は体の中で吸収されずに、そのまま腸に届くために硬い便に水分を含ませることが出来るのです。水分を含んだ便は柔らかくなり、便の量が増えることで、生理的に大腸の動きを活発にして排便を促します。モビコールは、通常、薬の投与開始から２～3日目で排便があり、7日位つづけた頃から排便回数が増えて、3週間目位から排便回数が安定してくるとされています。

２）当クリニックでも、これまでに乳幼児と成人の患者さん７０人への投与を行ったところ、殆どの患者さんへの良い結果が得られています。副作用としては、まれに下痢や腹痛等が見られる事が有りますが、投与量の調整で改善を見ています。

３）これまでの報告でも、便秘の患者さんは多く見られ、「小学生で約２割、高等学校女子では約３割が週に３回未満の排便回数であった」とされています。また便秘症に伴う排便痛のため我慢することが習慣化している乳幼児では排便自立の獲得が遅れるとの報告もあります。このようなお子さんの排便習慣を改善することによって精神面・生活面・社会面そして身体面が改善することが期待されます。

４）最近の報告では、「5～１８歳の便秘症と夜尿症が見られるお子さんに、１年間の便秘の治療で、夜尿症も６３％改善した。」との報告もあります。便秘症と夜尿のあるお子さんには、便秘症の解消も夜尿を治す治療法の一つとされています。

５）これまでの報告で、モビコールは平均でも約２年位の投与の継続が必要とされていますので、お子さんには無理をせず長期間服用できるようにしましょう。また食事療法も併せて試みていきましょう。